誰かの為のブログ

映画や本の感想をだらりだらりとマイペースに書いていきます。

【感想】頭使って考えよう、自分の人生だもの 吉田源三郎「君たちはどう生きるか」

「働き方」が叫ばれるようになった昨今ですが、この場を借りて自分でも考えていきます。

 

 漫画「君たちはどう生きるか」が注目を浴びています。原作は吉野源三郎氏の同名小説「君たちはどう生きるか」ですが、こちらの作品は1937年に出版されています。今から80年も前の小説がなぜ今脚光を浴びているのでしょうか。その理由を考えてみます。

 

 

 とは言ったものの、まだどちらも読んでいません。これから読みます。ごめんなさい。

 

追記 2017年12月20日 

ようやく読み終わったので簡単なあらすじと感想を。

主人公 本田潤一くんはおじさんとデパートの屋上で街を眺めていました。そのとき彼は人間一人ひとりは分子のようなもので、その分子が集まることで世の中といったより大きな物が作られているんだと考えをめぐらせます。そして「油揚げ事件」「粉ミルク事件」を通じて人間ひいては人類は世の中や世界といった大きな流れの一部であると同時に、その流れに立ち向かわなければならないときもあると知っていきます。例えばかつて天動説が唱えられていた中世ヨーロッパの世界で、地動説を唱えたコペルニクスのように自分の信じる真実を周囲に左右されること無く堂々と主張しなければならないとおじさんに教わります。

 

 この本が伝えたいことを短くまとめてみます。「自分で考え、世間のために行動しろ」と。それこそが英雄だと本書の中で、ナポレオンを引き合いに出して主張されています。

 また生産と消費の関係についておじさんが書いた手紙は、分業が著しく進んだ現代社会に生きる俺にとってはどきりとさせられるものでした。俺が普段から飲んでいる豆乳1つとっても、俺の口に入るまで数限りない人たちの働きがあるわけで、その人たちにも当然家族がいるわけです。そうして考えていくと人間はたとえか細くても誰かとつながらずには生きていけないのです。ここのところは「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」でも同じような主張がされています。もしかするとアドラーと吉田源三郎の根幹には似たようなものがあるのかもしれないですね。生きた時代もかぶっているし、調べてみると面白いかもしれないです。

 

 現代においても自分の人生どうしたらいいか迷っている人が多くいるからこそいま再び注目されているのでしょう。そしてそんな思いを胸に本書を手に取った人を「自分の人生なんだから、自分で考えな」とやっちゃう本書はちょっとかっこいいです。